神奈川新人ギタリストオーディション速報

 

2006.7.2 第35回神奈川新人ギタリストオーディション合格者

 

入賞  宮崎和穂
入賞  斎藤優貴
入賞 近藤裕明
入賞 安部数子


本選出場者


     神奈川ギター協会主催第36 回新人ギタリストオーディションを終えて

                            神奈川ギター協会委員長 石田 忠
                                   会報担当 川俣 明
 2007年6月23日(土)神奈川県磯子区民センター杉田劇場で第37回神奈川新人ギタリストオーディションが開催されました。前日に京浜東北線の架線事故があり5時間も不通になった翌日でもあり何事もなく迎えられたことにホッとする開催日でした。今年は会場確保の問題からめずらしく土曜日の開催ということになりました。応募者がこの数年50人前後だった事を思うと38名の応募は少し寂しい感もありましたが、大勢の応援者や聴衆で熱気のあるオーディションとなりました。この日のオーディションは昨年度次席(予選免除)の1名を除く37名での予選となり、課題曲のソルの『第2グランドソナタ作品25よりメヌエット』と3分以内の自由曲1曲が演奏されました。その結果、本選には6名の予選通過者と昨年度次席の1名の計7名で臨む事となり、課題曲のポンセの『3つのメキシコ民謡よりAndante』と6分以上10分以内の自由曲が演奏され、最終的には4名が入賞という事となりました。今年は入賞者4人のうち上位2人が小学生ということで過去に例を見ない結果に驚いています。今のギター界のジュニアパワーを見せ付けられた思いです。課題曲は演奏者の音楽の基礎力を問われるものです。決しておろそかにすべきではありません。予選課題曲の3拍目から始まるメヌエットで、途中3拍目が休符で1拍目から入るところがありますが、待ちきれず前のめりに突っ込んだり、次の1拍目を3拍目のように演奏し3拍子を崩してしまったりし、「メヌエットという舞曲」の意識の低い奏者も見受けられました。アーティキュレーションやフレージングに注意を払いスタッカートやスラーも丁寧に対処して欲しいと思います。技術や歌心が秀でていても基礎力の不足は高い評価に結びつかず、残念な結果となってしまいます。
 本選課題曲の『3つのメキシコ民謡よりAndante』は32分音符・16分音符・8分音符等が組み合わさって何度も出てきますが、リズムを正確にだそうと思うあまり重くなったり流れが不自然になったりする人が見受けられました。またアンダンテの指定の割にはゆっくり過ぎて歌っている割には気持ちが伝わりにくい演奏もありました。さて、次に本選出場者7名の結果とコメントです。

『/』欄は師弟関係の為、審査員は審査に参加していません。


1.斎藤優貴<入賞>
予選:前回次席により免除
本選:恋する乙女のバラード(L.ブローェル) エチュード第11番 (H.ヴィラ=ロボス)

 技術的にはどの曲もほぼ完璧に演奏していた。課題曲のアンダンテはテンポを遅く設定したせいかフレーズが長くなり説得力が今ひとつ。自由曲のバラードではこの曲にある情景や情趣が髣髴として来ないのが残念。しかい小学生でここまで演奏できることは将来が楽しみだ。

2.中里一雄<次席入選>
予選:バルカローレ (A.タンスマン)
本選:タンゴ、 カタロニア奇想曲 (I.アルベニス)

 課題曲アンダンテは自然な流れでよく弾けていたが、自由曲のタンゴでは不自然なフレージングやリズムの乱れが目立ち、次席になってしまった。来期を期待したい。

3.近藤裕明<入賞>
予選:不安op.13−4(J.K.メルツ)
本選:シンプルエチュード第16番(L.ブローウェル) 組曲ニ長調よりプレアンブロ(M.M. ポンセ)

 自由曲では緻密で破綻のない丁寧な演奏であったが、課題曲のアンダンテはフレーズの最後の処理の仕方に不自然さが残り残念。技術的にも優れているので一段の精進を期待したい。

4.宮崎和穂<入賞>
予選:南のソナチネ第3楽章 (M.M.ポンセ)
本選:ロンドレット (M.ジュリアーニ) 南のソナチネ第1楽章 (M.M.ポンセ)

 小学生で首席入賞は立派。課題曲のアンダンテも良く歌っている。南のソナチネは勢いもあるしダイナミック。ロンドレットの途中2拍子のリズムが重くなるところと最後での弾き直しは勿体なかった。

5.安部数子<入賞>
予選:ムーア風舞曲 (F.タレガ)
本選:詩的ワルツ集より (E.グラナドス)

 課題曲のアンダンテは本選出場者の中でも自然な流れと音楽性がよく表現されていた。詩的ワルツ集はそつなく演奏しているのだが、ワルツの躍動感が欲しい。歌う部分とリズミカルな部分との対比を工夫すれば更に豊かな表現となろう。

6.北村健太<入選>
予選:暁の鐘 (E.S.デ・ラ・マーサ)
本選:祈りと踊り (J.ロドリーゴ)
 
課題曲のアンダンテは少し重いがよく歌っている。技術的に秀で、難曲を立派に演奏していたが、次のフレーズへの入り方が無造作で音楽への期待感が希薄になる。アーティキュレーションにもう一工夫欲しい。次回を期待。

7.笹谷聖二<入選>
予選:トナディーリャ (A.バリオス)
本選:魔笛の主題による変奏曲 (F.ソル)
 
魔笛はリズム感も良いし流れも自然。第1変奏のスラーがすこし甘くなった以外は素晴らしい演奏。しかし課題曲のアンダンテでの低音の目立つ1音で記憶ミスがあり惜しい。良い演奏だったので残念だ。音色は美しいのに、そのぶん細かなビリつきが目立つ点を克服してほしい。